売掛金って、得意先から払ってもらうものです。
では、どの得意先にいくらの売掛金があるのか、わからなかったらどうなるでしょう? いくらを請求してよいのかがわからず、大変なことになります。
そのために売掛金元帳があります。
売掛金元帳とは?
得意先ごとの売掛金の残高がわかるように把握しておくための帳簿です。
売掛金元帳のタイトル下に「川崎商事」となっています。
このように売掛金元帳は、得意先ごとに作成されます。
なぜ、得意先ごとの作成が必要?
そりゃ、得意先ごとに請求すべき金額が違うからです。
このことを、次の問題を使って考えましょう。
【問 題】
4月中の掛売上について、下記の売掛金勘定と補助簿の得意先元帳を
同時に記入しなさい。
1.月初残高
当社には得意先が2社あり、4月1日における売掛金残高は、川崎商事 ¥5,000、
千葉商事 ¥6,000である。
これ以外の得意先はないものとする。
2.4月中には以下の取引が行われた。
2日 |
川崎商事に商品 ¥10,000を販売し、代金のうち ¥2,000を現金で受取り、 残額を掛けとした。 |
8日 |
|
15日 |
2日に川崎商事に販売した商品のうち ¥1,000が返品された。代金は 売掛金から差し引く。 |
千葉商事に商品 ¥12,000を販売し、代金は全額掛けとした。 |
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30日 |
売掛金の回収として次の小切手を受け取った。 川崎商事:¥10,000、千葉商事:¥9,000 |
★答案用紙は以下のリンクからダウンロードできます(禁無断転載)。
そこで、実験です。
売掛金勘定だけに記入したら、どんなことになるのでしょう?(笑)
2つの取引先の情報が、1つの勘定に集約されているため、
次のようなシンプルな質問に答えられません。
- 「誰に対して商品を売ったのか」
- 「誰からいくらの売掛金を回収したのか」
- 「30日の残高¥7,000の内訳は?」
なぜなら、得意先ごとの売掛金を集計するための帳簿だからです。
売掛金元帳の記入
このようにすることで、個別の明細がわかり、売掛金の管理に役に立ちます。
試験には買掛金元帳も出ますが、考え方は売掛金元帳と同じです。
答案用紙をダウンロードして、自分でも実際に解いてみてください。