簿記3級で求められる仕訳力
「仕訳力」
私が勝手につけた名前です。
でも大事ですね。簿記3級では、第1問で仕訳問題(配点20点)が出るほか、
第3問の試算表作成問題(配点30点)でも仕訳の実力は得点を左右します。
なぜなら試算表は仕訳を集計したものだからです。
ならば、仕訳力を磨いておくと言いますか、出来ないところをフォロー・アップ
しておきましょう。
これには、テキストを見ておくのもいいですが、
- 基本的な問題でやるのがいい
- 一覧表になっているものがいい
と思います。
そこで、仕訳チェックリストを作りました!
いちいち仕訳を書き出す必要はなく、取引を見て、仕訳が思い浮かぶかどうかがポイントです。
思い浮かんだから「チェック欄」にチェックを入れてください。
このリストには全部で65の仕訳があります。
出来なかったところはテキストなどで復習しましょう。
仕訳の正解率が向上すると、試験での合格は一気にアップします。
ぜひ、がんばってください!
仕訳リストは下記のリンクからダウンロードしてください。
簿記3級第1問。何が出ている?
皆さんの目指す簿記3級は5つの問題の配点が違います。
つまり、力のかけ方が均等じゃない。
そのため、バランスを考えて取り組まないと、大変なことになります。
ここでは、第1問の攻略を考えましょう。
最も多く出ているのは?
「最も多く出ている」
第1問に限ってしまえば、「最も多く出ている」は、あまり意味がないワードです。
なぜなら毎回、仕訳問題が5題出題されるから。
何が出ているの?
過去にはどのような仕訳がでているのでしょうか?
結構、様ざまな論点からでています。
試験傾向の分析をする立場のマスクマンが、このように書くのは申し訳ないですが、
出題はランダムで一貫性はありません。
でも次の4つは、過去5回の中で3回以上出題されています。
- 現 金
- 普通預金
- 未払金
- 固定資産の購入
【上の表について】
実際の試験では、固定資産と普通預金というように、単一の論点が2つ以上
組み合わされて出題されます。
例えば、
(借)建 物 1,000,000 (貸)普通預金 1,000,000
という仕訳は、「固定資産の購入」と「普通預金取引」という
2つの論点の組み合わせです。
そのため、上記表の中では、2つに丸を付けています。
配点は?
第1問の配点は合計20点(仕訳1つに付き4点、5題)です。
マスクマン的アドバイス
最近の試験傾向をみると、第1問の難易度はふつうです。しかし第1問はいろいろな論点から出されるため、満点はむずかしいです。
そのため、80%(16点)を確実に得点する実力を養いましょう。
簿記3級第4問は「捨て問」なのか!?
簿記3級は5つの問題の配点が違います。
そのため、バランスを考えて取り組まないと、大変なことになります。
これから、第4問の攻略を考えましょう。
最も多く出ているのは?
第4問では何が最も多く出ているのでしょうか。
伝票会計が60%と最も多いことがわかります。
何が出ているの?
過去の出題内容はつぎのとおりです。
伝票会計・語群選択・商品有高帳(帳簿問題)が出ているとわかりますね。
配点は?
簿記3級では第1問から第5問まであり、それぞれの問題の配点が違います。
ちなみに、第4問は10点と低めです。
マスクマン的アドバイス
配点が10点ということを考えると、捨てるのもありです。
でも60%は伝票会計が出ているんですよね。
そのため、保険として伝票会計だけはやっておくという手もあります。
簿記3級第3問は何が出ている?
昔々、私めが受験生だった頃から、簿記3級第3問は問題のボリュームがすごい。
それは今でも変わりません。
試験に合格したいなら、第3問をなんとかしないといけません。
最も多く出ているのは?
第3問では何が最も多く出ているのでしょうか。
- 試算表が毎回出ている(頻出度は100%)
- 中でも残高試算表が60%
だってことがわかります。
何が出ているの?
過去の出題内容はつぎのとおりです。
残高試算表・合計残高試算表・合計試算表とありますが、
解答作成の手順は大きく変わりません。
コメントに「取引資料型」と「要約資料型」とありますが、
これは日々の取引から試算表を作るのか、それとも1ヵ月間の取引
のサマリーから試算表を作るのかの違いです。
配点は?
簿記3級では第1問から第5問まであり、それぞれの問題の配点が違います。
ちなみに、配点は30点と高く、ここで高得点を取る必要があります。
解答のための時間
第3問は問題にボリュームがあります。そのため30分から40分ぐらいの
時間が必要です。能率よく解けるように準備しておきましょう。
マスクマン的アドバイス
一般的な受験生は40分ぐらい使っているようです。しかし、読者には25分
くらいで解けるようになってほしい。そこで、別の記事で、試算表の効率的
な解き方を説明していますので、是非参考にしてください。
半分の時間で解ける!試算表の攻略
半分の時間で解けるなどど、大言壮語しましたが…。(汗)
要は3級試験では一番時間がかかる試算表の問題で
コンパクトに解くためにはどうしたらよいのか、という話です。
仕訳をしないことが成功の秘訣
仕訳しない
今日はこれで行きます(笑)。
受験生の皆さんは3級第3問試算表をどのように解いていますか? 教えてください。#日商簿記 #試算表 #経理 #精算表
— 簿記ファンクラブ ナゾのマスクマン (@bokifan) September 16, 2019
能率のよい試算表の解き方はこちらからhttps://t.co/XoqwUVsk6n
過去にTwitterでアンケートを取ったところ、試算表を解くために仕訳
をしている、
という方が最も多かったんです。
今日は、そのような意見に真向から勝負を挑んでいくような気持ち(笑)です。
Tフォームとは
「Tフォーム」
Tフォームってこんなやつです。
総勘定元帳の勘定口座を省略したものです。
「T字勘定」などとも呼ばれています。
この記事で紹介するのは、仕訳せずにデータをすべて
Tフォームに集約して時間短縮を図ろう、という解法です。
実際にやってみよう
その1 Tフォームを作成する
計算用紙にTフォームを作成します。フリーハンドで大胆にいきましょう。
作成上の注意点として、
- 計算⽤紙にフリーハンドで書く
- 「時間⼤敵」勘定科⽬は適当に省略すべし
- 売掛⾦明細表・買掛⾦明細表を作成するため、売掛⾦と買掛⾦のみ企業毎に書く
こんなところでしょうか?
その2 9/25までの合計額を書き写す
問題の資料(1)にある合計額を書き写します。
売掛金と買掛金だけ合計額ではなく企業ごとの残高を記入してください(売掛金明細表・買掛金明細表がある場合に限定)。
その3 9/26以降の取引を書き写す
ここで、仕訳をしてTフォームに転記したくなります。
が、ここでこらえなければならない。
仕訳は頭の中で行い、直接に転記します。
もう一つ、注意点があります。例えば、26日の取引は次のような仕訳ですね。
26日:(仕 入)450 (買掛金)450
そして買掛金は、福岡商店に対するもののため、
買掛金勘定・福岡商店に転記してください。
その4 売掛金明細表と買掛金明細表
売掛金・買掛金は、9月30日の残高を計算して(マーカー部分)、売掛金明細表と買掛金明細表に記入します。
その5 合計試算表
作成したTフォームから、各勘定の合計を算出し、合計試算表に記入します。
① 現 金
借 方:1,250+1,100=2,350
貸 方:900+10=910
② 当座預金
借 方:3,500+400=3,900
貸 方:1,400+260+20+1,100=2,780
その他の勘定についても同様に計算します。
ただし、売掛金と買掛金は注意が必要です。
① 売掛金(ピンク色は問題資料(1)から!)
借 方:1,900 +610+750=3,260
貸 方:1,600 +120+50+280=2,050
② 買掛金(ピンク色は問題資料(1)から!)
借 方:800 +50+150+110=1,110
貸 方:1,230 +450+400=2,080
最後に借方・貸方の合計金額を算出して、一致したらおしまいです。
その6 残高試算表
合計試算表で求めた借方合計額から貸方合計額を
差し引いて差額を求めて、記入します。
まとめ
どうでしたか?
最初は煩雑に感じる方も多いと思いますが、
繰り返すうちに慣れてしまいます。
後は、同じやり方で続けてみてください。
簿記3級第5問は何が出ている?
簿記3級第5問は決算に関する問題が出題されます。
また、第3問と並んで、簿記3級合格のキャスティングボートを握っています。
最も多く出ているのは?
第5問で最も多く出ているのは何でしょうか。
とわかります。
何が出ているの?
過去の出題内容はつぎのとおりです。
8桁精算表は貸借対照表などの決算書が出来るまでのプロセスを
表した一覧表であると考えると、ほぼ同じだといえます。
配点は?
簿記3級では第1問から第5問まであり、それぞれの問題の配点が違います。
ちなみに、配点は30点と高く、ここで高得点を取る必要があります。
解答のための時間
第3問ほどではないですが、そこそこ問題にボリュームがあります。
そのため25分ぐらいの時間が必要です。
マスクマン的アドバイス
扱う決算整理事項は同じものです。
また、マスクマンの調査*では、毎回必ず出題されている
決算整理事項は5つあります。
*正しく、覆面調査(笑)
多くの受験生が苦手とする決算整理仕訳は、
仕訳の科目が決まっている定型的なものばかりです。
決算整理仕訳が出来ないと第5問はおぼつかないので、
上記5つを中心にしっかりとやっておきましょう。
別記事にて、毎回出ている5つの仕訳は何があるのか、
考えたいと思います。